顕微鏡の基礎

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5. 顕微鏡の周辺装置 accessories

5. 1 写真装置

図5-1 自動露出写真装置の例

顕微鏡画像の記録として写真の重要性は言うまでもありませんが、かつての銀塩フィルムによる顕微鏡写真では様々な撮影の技術・ノウハウが必要とされてきました。このためエレクトロニクス技術の発展を背景として、顕微鏡写真撮影装置の改良が各メーカで図られ、以下のような操作は自動化されています。図5-1はそうした自動写真装置の例です。

  1. フィルムの装填・巻上げ・巻き戻し
  2. フィルムの特性のセット(=DXコード読取)
  3. 色温度調整(=電源電圧のセット)
  4. 照明系切換え(視野絞り・開口絞り調整)
  5. ピント合わせ(オートフォーカス)
  6. 測光(移動スポット測光、二次元測光)
  7. 露出(相反則不軌補正、オートブラケット)

また、複数のカメラが装着できたり、フレーミングが容易なズーム変倍やスケール・データの写し込みなどの機能も用意されたものもあります(図5-1)。このように装置の改良により、言い換えるならば撮影者は試料の場所と撮影倍率を決めるだけで、良好な顕微鏡写真が比較的容易に撮れるようになりました。しかし最近のようにデジタル写真が一般的に普及すると、こうした装置も使われなくなりつつあります。