顕微鏡の基礎

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2. 顕微鏡の光学系

2. 5 鏡筒光学系

観察鏡筒(Viewing tube)には接眼レンズや投影レンズの取付けられる数によって、単眼、双眼、三眼などがあります。単眼鏡筒には、光軸が真っ直ぐの直筒式と、プリズムやミラーで観察し易い角度に傾けた傾斜式(図2-8a)の種類があります。

また双眼鏡筒では光路を左右の接眼レンズ光軸に分割しますが、その方法によって、イエンチュ(Jentsch:図2-8b)式とジーデントップ(Siedentopf:図2-8c)式とがあります。後者の場合、眼幅を調整すると中間像位置が前後に移動するため、自動的にそれを補正する機構がついているものもあります。三眼鏡筒(図2-1の鏡筒部)は傾斜式双眼鏡筒に直筒を追加したもので、直筒部分に写真・TV装置を取り付けます。観察側と直筒側の光路分割比は、一般にプリズムの移動によって切り換えられるようになっています。

このほか、双眼観察部の傾斜角が可変になったもの(図2-8d)や、複数の人が同時に同じ像を観察できるディスカッション鏡筒(図2-8e:5人用の中間鏡筒)など様々な種類の鏡筒が市販されています。

図2-8 各種鏡筒の構成例